センターについて
京都には約2000 社と多くの老舗企業があります。それら老舗企業の90%は創業家の一族が経営しているファミリー企業です。そういった点で老舗企業≒長寿ファミリー企業と言ってもいいでしょう。長寿ファミリー企業研究センターは、これまで龍谷大学に蓄積されてきた老舗研究の成果を基盤として、長寿ファミリー企業と地域コミュニティの関連を、京都を中心としながら、国内の他地域、ヨーロッパや中国などの国外とも比較しながら研究し、長寿ファミリー企業の研究拠点を構築することを目指しています。
本研究センターの目的は長寿ファミリー企業(≒老舗企業)における企業家活動のダイナミズムを、彼らが依拠する「コミュニティー」やネットワークの視座から解明することにあります。具体的には、国内複数地域の長寿ファミリー企業の企業家的志向性や革新行動と「コミュニティー」との関係性、ネットワークの構造や機能を比較分析することにより、長寿ファミリー企業がどのような革新をいかに生み出しているのかを探り、その長寿メカニズムを考察しています。なお、ここでの「コミュニティー」は、同一地域に居住する人々の集まりはもちろん、趣味や価値観を共有する人々のサークルやボランティア団体、同じ出身校の同窓会、企業によるサプライチェーンなども含みます。長寿ファミリー企業とコミュニティーやネットワークとの関係に光を当てた本研究センターは、人々の関係性を資本とみなす社会関係資本の議論の深化への貢献も企図しています。